旅を歩く

街道を歩いた記録です。興味ある方はご参考に。

第1回 なぜ歩くのか?

 私の趣味は園芸と歩き旅です。このブログでは「歩き旅」について書きます。春~夏~初秋は園芸が忙しいので、秋~冬~初春の農閑期に歩くことにしています。

 なお、このブログは私の他のブログ「サクランボの種を発芽させる方法/自己流の園芸」の中で脱線余談として書いたものを移したものです。

 

 なぜ歩くか?

 正直に言うと「グレートトラバース」と言うNHK BSのテレビ番組と「一路」という浅田次郎の小説に誘発されています。グレートトラバースでは驚異的体力を持つプロのアドベンチャーレーサーが日本の名山を歩いて回ります。(余談ですがカメラマンの人の方がすごいと思います。)私にはそんな体力は無いので、「一路」に習って歴史的街道をひたすら歩くことにしました。

 自分の体力と相談して計画を立て、それを達成できるととても充実感があります。また、そのための体力維持が健康管理のモチベーションになります。

 

 これまでやってきたことを概略まとめますと

中山道 まず 会社を引退した直後に、日本橋を出発して中山道を歩き始めました。マラソン選手は42kmを2.5時間以内で走ります。だったら1日かければその程度は歩けるだろうを考えたのは大間違いでした。初めて38km歩いた翌朝、靴を履こうとしたら足が腫れあがって履けません。舗装道を5万歩も踏むとウォーキングシューズを履いていても足の裏がダメージを受けます。事前に4~5kmを何度か歩いて練習していましたが、5kmと30~40kmは大違いでした。なんとか靴に足を押し込んで歩き始めましたが、それからは一歩一歩踏むだけで痛いので、歩けるだけ歩いて列車で目的地に行って泊まるを繰り返し、なんとか5日間かけて高崎までたどり着きました。

 歩き旅を始めようとされる方がおられれば、20km程度の練習を2~3日連続してみることをお勧めします。靴が合っているか確認することと、足の裏を慣らすためです。高崎までの地獄のような歩き旅を経験して1か月くらいしたら足の裏は治りました。その後は、この時のような苦しみは無くなりました。テニスを始めると最初は手のひらにマメができたり痛い思いをしますが、やがて慣れてしまうのと似ています。

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 中山道は高崎から先は山地に入り、碓氷峠和田峠塩尻峠、鳥居峠と峠越えの連続になります。現時点ではこれらを越えて中津川までたどり着いております。今はオミクロン株の拡大で遠出を自粛しておりますが、なんとか京都にたどり着きたいと思っております。ここから先は現在進行性で今後やや詳しくお話しいたします。下の写真は中津川の手前、馬籠宿です。

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日光街道 幸手から日光まで5日かけて歩きました。今市から日光までは杉並木の中を歩きます。想像していたより規模が大きく、さすがに世界遺産になるだけのことはあります。f:id:tanemaki_garden:20210808152900j:plain

甲州街道 高尾まで列車で行って、そこから甲府まで4日かけて歩き、一度家に帰って、翌月 韮崎から下諏訪まで3日で歩きました。中山道のようにメジャーな街道は道案内がところどころありますが、甲州街道はややマイナーなので途中で何度か道がわからなくなりました。冬の南アルプスは絶景でした。

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四国お遍路 これまで会社の金や自分の金で日本や海外のいろいろなところに行きました。しかし、この四国のお遍路ほど面白い旅はありませんでした。毎日のように驚きと発見がありました。もちろん全行程を歩くと大変なので列車とバスは使って、タクシーは使わず、一日30km程度歩くという方針です。ガイドブックが良くできているので大変参考になりました。近々 もう一度行くつもりです。詳細はその時書きます。お遍路のシーズンは春だそうですが、私は晩秋から冬の雨の少ない時期を選んで歩きました。従って、とても人が少なくてパワースポットをほぼ独り占めできました。この時 連日30km程度歩いていたら、初めての経験でしたが、膝が痛くなりました。筋肉痛は少し動かすと和らぎますが、関節痛はそうはいかない。これは苦労しました。日程が決まっていたのにホテルに半日ダウンしたので88ケ所中3ケ所はスルーしました。だからもう一度行かねばなりません。

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 *秋が好きです。 真夏はトレーニングも歩き旅もお休みです。庭仕事もさぼり続けています。涼しくなったらトレーニング再開して、10月以降 歩き旅を始めます。

 留守中は猫の世話や鉢植の水やりを家族に任せますが、彼らは基本的に関心が無くて100%信用できません。長期間家を空けられず、旅の期間が長くても6~7日の細切れになるのが悩みの種です。

 

*一人で歩きます。 歩き旅もお遍路も一人です。時々 同好の方々に道中出会いますが、他の方々もだいたい一人です。それがなぜかはよくわかりません。集団で歩くと考えなければならないことが多すぎて面倒くさいことは間違いないでしょう。例えば計画は体力に合わせて立てますが、大勢いると誰に合わせるか考えなければならないし、遅い人に合わせるので必然的にペースが遅くなります。ただし、秋冬の山道では前にも後ろにも誰もいないことが多いので、ここで捻挫でもしたら軽傷でも遭難になります。緊張感を持って歩かなければなりません。一人でいることが苦にならない人に向いている趣味です。

 

 *いつまで続けられるでしょうか? 旅先のビジネスホテルで85歳の老人に出会いました。芭蕉奥の細道に憧れて歩き始めたそうです。若い頃は陸上の長距離選手だったそうで脚力には自信ありそうでした。高齢になっても「体力と相談して計画を立てる」ことができれば歩き旅はできそうです。たぶんその時は「コースを全部歩く」ことにはこだわらない方が良さそうです。

 このシリーズの次回は10月頃になります。