旅を歩く

街道を歩いた記録です。興味ある方はご参考に。

第15回 安房小湊の誕生寺から房総最高峰の清澄山まで歩く

 前回の中山道歩きではトレーニング不足で苦しんだので、足の裏を鍛えるために少しハードに歩きました。

 安房小湊駅に着いたのが8時16分。そこから日蓮上人の出生地に建つ誕生寺を目指します。約20分くらいです。

 

 寺の縁起に関する掲示に興味深い記述がありました。寺の創建は1276年。今から746年前です。その後 1498年に津波で全壊。さらに1703年にも津波で大被害を受けています。つまり約750年間に津波が2回あったということです。1回目と2回目は約200年間隔でした。それから300年以上 この地では津波はありません。海岸沿いは要注意です。

 誕生寺からほぼ海岸沿いに国道を天津駅まで歩き、そこから登り始めます。山道は見つかりませんでした。内陸から登る登山道はあるようです。今回は車道を歩きます。一部を除いて歩道はしっかりしていますので、危険はありません。むしろ、海岸沿いの国道の方が狭くて危ない。

 途中にこんな田舎道には不釣り合いな巨大建造物・ループ橋が出来ていました。清澄山山頂近くには日蓮宗の寺、清澄寺(せいちょうじ)があります。日蓮宗の政治力を感じましたが、考えすぎでしょうか?

 途中に波切不動という真言宗の小さなお寺があります。この石仏が名物らしいですが残念ながら保存状態が良くない。しかし、この地域ではこのような石は採れません。どこから運んできたか興味あるところです。小さな番犬にワンワン吠えられて退散しました。

天津駅から登り始めて約2時間で清澄寺(せいちょうじ)に着きます。寺と山は同じ名前ですが読み方が違います。

 この寺は最初は天台宗の寺として創建され、次に真言宗に代わり、明治の廃仏毀釈により廃寺の危機にあったものを日蓮宗に改宗して存続できたと掲示がありました。またしても日蓮宗の政治力です。

 本堂の裏にあった石仏。私見ですが手印の形から向こうが大日如来、手前は阿弥陀如来と思われます。日蓮宗に改宗する前のものでしょう。この石仏の石も遠くから運んできたものと思われます。

 清澄山山頂への登山口はこの石仏の近くにあります。これまで車道をゆるゆると登ってきましたが、ここは急登です。距離はそれほどでもなく15分ほどで山頂に着きます。

 ここが清澄山の山頂。千葉県で最も高い所です。といっても377m。東京タワーより高いがスカイツリーよりも低い。この社は妙見宮です。妙見とは北斗七星のことで、別名はアメノミナカヌシ、古事記の最初に出てくる神様です。1回だけ出てきて記述がほとんどない謎の神です。妙見信仰は全国各地にあります。古事記日本書紀の神様体系に組み込まれなかった神様と思われます。

 帰りは車道をそのまま下って安房天津駅から帰りました。この駅は無人駅になっていました。房総も南の方に来ると無人駅ばかりになります。切符の販売機もありません。しかし、トイレはきれいでした。線路が単線なのでここで上り下りがここですれ違うようになっていて、同じ時間に両方向から列車が入って来ます。上りも下りも1時間に1本しかありません。

 この日は約3万歩(26km相当)歩きました。疲れましたが、特に足に異常は無し。来週は四国お遍路 愛媛編に向かいます。